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企業インタビュー
市川 真さん ( 株式会社イトーキ )

京橋のイトーキと言えるようにしていきたい。

イトーキの事業内容についてのご紹介からお願いいたします。

オフィスに関わる商品からソフトまで含めた環境の提案が中心ですが、シネコン、金融関係、学校、病院、図書館など事業領域は広く、学習机からギネスブックに掲載された720tの世界最重量の扉まで幅広くあつかっています。

昨年11月26日、京橋にオープンしましたSYNQAの目的は?

昨年、京橋3丁目にイノベーションセンターを新しく構えさせていただきました。オフィス家具メーカーですのでコア事業として家具販売を通じてお客様に価値を提供しています。これまでのオフィスづくりは、机はどうだ、椅子はどうだと、座っていただいてみてというように、現物を確認できるショールームの役割が重要でした。京橋という立地を考えますと家具のショールームをつくって、多くのお客様に見ていただくことも考えましたが、あえて家具の色を消してイトーキは何をやっている、何を目指しているというメッセージを強く打ち出しました。

状況が変わったということでしょうか。

リーマンショック以降の経済環境もあり、閉塞感がある中で次なる打ち手はということを考えていました。10年ぐらい前にモデルオフィスをつくり、ハードよりも働き方や、働いている人がどう動くのかとか、コミュニケーションはどの場所でとるのか、そこからオフィスを考えないとなかなか提案するにあたって、説得できなくなってきました。ただ単に数多くの種類の机や椅子を並べたりするよりも、われわれが実際に働いているオフィスをお客さまにご覧になっていただこうという展開を始めました。ここにきて、企画段階からお客様と一緒にオフィスづくりを考えよう、というようにわれわれのビジネスも変化してきています。

ショールームではなくイノベーションセンターということですね。

イノベーションセンターを各企業がつくりだしているという背景があります。10年前にモデルオフィスということで働いているオフィスをお見せして、いい点も悪い点も率直にお客さまに説明してきました。計5、6回モデルチャンジをしながらオフィスをつくりあげてきたという経緯があります。オフィスについて自信をもってやってきましたが、場所も広さも限界が見えてきました。また一社でつくれることも限られていますので、イトーキだけではなくていろいろな知恵をいただきながら、そこで加工しながら生みだしていく。いろいろな業種のいろいろな知恵をお借りしながら加工して生みださないと生き残っていけないという実感があり、みなさんが自由にお使いただけるような場をつくりました。つまりオープンイノベーションの実践の場を構築したわけです。

SYNQAの概要をご紹介ください。

1階から3階までのスリーフロアで展開しています。1階はルールに同意していただければどなたでもご利用いただけるような形で、サテライトワークカフェという新しい会員制のワークスペースを提案、提供しています。カフェもつくっていますので会員の方はランチも食べられるようになっています。多くの方に使っていただくということでオープンにしています。2階にはセミナールームやプロジェクトルームなど10室を用意しています。ここで新しいプロジェクトを検討したり、お客様同士が新しいことを生みだしたり、どんどん使っていただきます。セミナールームでイベントなどを実施していまして、オープンのイベントはSYNQAのウェブサイトで告知しています。またインナーブランディングの意味も込めて階段下やエレベーターホールにヒストリーホールという形で、イトーキの歴史を語るような場所を設けています。

どのような方が利用されているのでしょうか。

ターゲットはいままで接点の少なかった各企業の企画部門や新規事業開発部門の方々です。また特徴としては研究職の方まで予約を入れてこられるようになりました。接点の少なかった層の方々が積極的に利用されています。来場数は昨年のオープン以来、半年で1万人近くに達しています。まだまだ少ないと思っていますので状況をみながら利用枠を徐々に広げていく予定です。会員登録は全国からいただいています。

京橋を選んだ理由は?

昭和25年10月に初めて東京にショールーム機能を持った施設は京橋2丁目のビルにありました。銀座1丁目にショールームがあった時期もあり、銀座のイトーキというイメージを持っていただいているお客様も多くいらっしゃいます。イトーキは世の中にない価値を広めて、働く方々を幸せにするようなことをやってきたのではないか。イノベーションしてきたのではないか。閉塞感を打ち破る意味で原点回帰をしよう、地理的な原点回帰しよう、新しいものを生みだすための空間をつくるために京橋に出てきました。昨年の8月に引っ越してきましたが、京橋がどんどん好きになっています。

現在の京橋をどうご覧になっていますか。

1年前と様変わりしたと思っています。以前も営業できていましたが通過していました。再開発中はビルにお客様がいませんでした。ひとの流れが多くなりましたね。東京スクエアガーデンができてなおさらです。京橋地区全体で人が増えていると感じています。東京駅、有楽町駅、銀座駅も徒歩圏にあるというのがいちばんの強みです。銀座線全駅を改修するにあたりいくつかのゾーンに分けていますが、そのなかで京橋はすべての要素を持っています。銀座の香りもするし、オフィスのにおいもします。江戸からの商業のにおいもします。京橋のイトーキと堂々と言えるようにしていきたい。

最後にこれからの事業展開についてお話しください。

お客様が企業なので企業が生産性を高めていただけるような、業績を上げていただけるようなことをお手伝いすることを目指しています。オフィス環境に特化した形でいかにお手伝いできるか、をもっと変えていかなければと思っています。それを見つけていかなければならないと思っています。働くだけの作業場から居住空間へと変わってきており、その会社がどんな会社かを表現する空間でもあると思います。またオフィス以外の空間でも働ける場所が増えてきており、街やその空間をオフィス化することも私たちが求められていることだと思います。

市川 真(いちかわ まこと)
1960年奈良県生まれ
株式会社イトーキ 営業本部
執行役員 東京東支社 支社長
中央区を含めた東京の東エリアの
営業の責任者。2011年1月より現職。

市川 真さん

聞き手
中崎 隆司(なかさき たかし)
1952年福岡県生まれ
建築ジャーナリスト・
生活環境プロデューサー

中崎隆司